「アイデアを出せ」とか、「コンセプトはナニなの?」とか言われますが、両方の違いをはっきりとわかっている人はどれだけいらっしゃるでしょうか。また「アイデアからコンセプトを出しましょう」とブログやセミナーで聞きますが、正直なところどうやって出せば良いのかという方法を理解している人はどのくらいいらっしゃるでしょうか。ということで、これらの疑問を考えてみました。
アイデアとは
思いつき。新奇な工夫。着想。
出典:コトバンク
何か自分が実現したいことについての「思いつき」と言えそうです。よく似た印象の言葉としては「妄想」「想像」「空想」がありますが、こちらは実現したいことではないので区別しておきましょう。
コンセプトとは
概念。観念。
創造された作品や商品の全体につらぬかれた、骨格となる発想や観点。出典:コトバンク
大辞林では「意図、構想、テーマ」と解説されています。一貫した基本的な考え方や捉え方と言えそうです。「目的」と同じように考えてしまうこともありますが、目的はゴールである、コンセプトは考え方なので区別しておきましょう。
アイデアからコンセプトへ3つの公式
アイデアとコンセプトの意味を整理すると、コンセプトを見いだすにはアイデアがスタートであることが多い。そんな気がします。ただ物事の考え方として、コンセプトがあったからアイデアが浮かんだということもありますので、どちらが絶対的な流れだとは言えません。ただ、今回は、アイデアからコンセプトを見つけるという方向の流れで3つの公式を見ていきます。
公式1: 別の視点に立ってみる
例えば、「デジタル一眼カメラをママにも使ってもらいたい」という思いつきがあったとします(アイデア)。一般的にデジタル一眼カメラは写真愛好家のツールですが、視点をママに変えてみると『デジイチとはママのための育児用品だ』と言えます。これをコンセプトとして採用するなら、デジイチを
- アカチャンホンポ
- 西松屋
- ベビーグース
などでも扱えます。これは新しい切り口となるでしょう。
公式2: 当たり前を壊す
言葉で言うのは簡単ですが、コンセプトとして出すには結構頭を使います。そこで、すでに存在する当たり前を壊したコンセプトのものを参考にしてみましょう。
従来の扇風機には羽がある
ダイソンは「羽のない扇風機」を作った
従来のホッチキスはハリがあり穴ができる
コクヨは「ハリのない穴を開けないホッチキス」を作った
パソコンは白くて四角い形をしている
アップルは「丸みのある筐体に半透明なカラフルボディーのPC」を作った
公式3: 反対を考える
当たり前を壊すのではなく、反対を考えてしまうという方法です。固いものなら柔らかく。熱いものなら冷たく。という感じです。
従来のアイドルは気軽に会えなかった
AKB48は「会いに行けるアイドル」を作った
従来のブラは胸を大きく見せる
ワコールは「大きな胸を小さく見せるブラ」を作った
従来のヘビーメタルは男性重視のメンバー構成だった
ベビーメタルは「女性アイドルを中心としたユニット」を作った
さいごに
アイデアだけで勝負できるのは、ビジネスに直接関係のないアートくらいでしょう。私たちはアイデアだけではなく、長く飽きられずに売れる商品やサービスへ変化させないといけません。そのためにはアイデアからコンセプトを見つけ、コンセプトに沿ったプロモーションや販促活動をすることが必要です。